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令和4年度 学校保護者会 研修委員会主催講演会

令和4年度 学校保護者会 研修委員会主催講演会
思春期の娘とのコミュニケーション
~「甘えと自立」の上手な支援法~
子育てカウンセラー 野口紀子先生

 秋も深まり、色鮮やかな紅葉の季節を迎えた11月11日(金)、13時半より講堂において今年度2回目となる学校保護者会 研修委員会主催の講演会が開催されました。

 30年にわたり心理学を用いた家庭での親教育に携わられ、現在、公認心理師の資格を持ち、福岡県のスクールカウンセラーもなさっている野口紀子先生を講師にお迎えし、思春期の子どもたちに対する言葉かけや、関わり方など、子育て中の親としてぜひ知っておきたいお話を聴く貴重な機会となりました。

 保護者の皆さまも平日開催にもかかわらず、100名ほどご参加いただきました。


【筑紫女学園高等学校新28回卒業生でもある野口紀子先生】

◆思春期ってどんな時期?
~成長発達から見た子どもの理解~

【子育ては20年計画の大プロジェクト】
 ※野口先生より当HP「崇信」への掲載許可を得ております。

思春期の娘とのコミュニケーションが難しいのはなぜか。

 先生から解決法・上手な支援法を教えていただく前に、親として「分かっているつもりで分かっていない」かもしれない「子どもの成長過程」について子育ては20年計画の大プロジェクト(上記画像)」というロードマップを用いながらご説明いただきました。

 反抗時期の問題でなく関係性の問題であり、親が力で抑えつける反作用である。思春期渦中の子どもは、例えると波に揺れている小舟であり、揺れに試行錯誤しながら、波を乗り越えていく子どもに、親として大舟に安易に乗せて守ってあげるのではなく、寄り添うことが大切であることなど、ポイントを優しく解説していただきました。

◆問題解決の方法
①親のABC、子のABC 「B」を考えよう(アルバート・エリスの「ABC理論」より)
 子どもが部屋を片付けない事例をもとに、A:Activating event(出来事)、B:Belief(自分の考え、信念)、C:Consequence(結果)で整理し、子どもにBの信念をしっかり伝えることで、子ども自身が解決する必要性を理解し、良い行動につながる。

②I(私)メッセージを伝える(トマス・ゴードンの「わたしメッセージ」より)
 親(私)の考えや気持ちを丁寧に伝える。冷静に落ち着いて伝えるのが大事。普段からのコミュニケーションでこの方法を実践していると、子どももお友だちにIメッセージで伝えられるようになる。

③子どもの話を聴く
 コミュニケーションの基本は聴くこと。最初は3分我慢して聞いてみると、子どもはどんどん話すようになる。否定、非難は絶対にしない。思春期の子どもの行動は把握が難しいので、聴くことで情報収集もできる。

④親子でお互いに困っていることを表を使って話し合う
 困りごとをお互いに書き出し、親子で話して、折り合いをつけると、解決するための協同体制を作ることができる。


【講演に聴き入られる参加者の皆さま】


【野口先生と役員会・研修委員会の皆さま】
(撮影時のみマスクを外しています)

 今回の講演会は、研修委員会の皆さまへのアンケート結果から、特に関心の高かった「思春期の子どもとのコミュニケーション」について、学校保護者会 役員会・研修委員会の皆さまが準備されて企画・実行されました。
 学校保護者会 役員会・研修委員会の皆さま、ありがとうございました!

【編集後記】
 講演の最後に「大事なのはそのままのわが子をそのままで愛すること!今、子どもが生きている、それだけでいい。最高に愛おしんで!」という先生のお言葉に感極まりました。講演後、会場からは先生へ多くの質問がなされ、質問内容に共感し、さらにご回答に感銘を受けた方が多かったのではないでしょうか。今回の講演は、私たち保護者にとって、多用な生活の中でふと立ち止まって考え、子どもたちにとっての最善の寄り添い方について気付かされる、とても有意義な機会となりました。本記事では講演のすべてをお伝えしきれていませんので、ぜひWEB配信もご視聴いただけると幸いです。

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