広報委員会

先生インタビュー(1)

第1回は松尾圭子校長先生です。

校長に着任なさってから3年半を過ぎて見えてきた学校の良さや課題、今の生徒たちに伝えたいこと、また、保護者の方に伝えたいことなどをインタビュー形式でお尋ねしました。

 Q.校長先生が感じる本校の良さを教えてください。

まずは、生徒の素直さが一番にあります。生徒たちの日々の様子を見ていると、家庭で愛情深く育てられていると感じますね。また、先生方が日々「生徒のために」と親身に指導し、きめ細やかで愛情深く生徒に接している姿を目にします。この二つは本校の良さだと思っています。

 

Q.学校として、課題だと感じているのはどのようなことですか。

創立以来、自立して社会に貢献できる女性、自ら道を切り拓いていけるしなやかでたくましい女性の教育に取り組んできました。今は大事に優しく育てる気持ちが強くなりすぎている気がしています。中高の六年間は、自立してたくましく生きるための強い気持ちや、それを支える力、コミュニケーション力、ネットワーク力、問題解決力を将来発揮できるように、生徒の心の中に種をしっかりと植える時期だと考えています。大人になって困難に直面した時に、学校で受けた教育や先生からの言葉を思い出し、くじけないで生きていける女性に成長してほしい。

世界の大きな変化に対応し、自分でたくましく未来を切り拓く力を持てるように、子どもたちを導いていく。それが私たち学校の使命だと感じています。

 

また、進路指導において、指定校推薦で進学を希望する話がよく出ますが、入試制度も大きく変わり、推薦入試で選ばれるにもしっかりとした学力をつけていることが求められています。一般入試で合格できる力を私たちが十分に伸ばすことができず、多くの合格者を送り出せていません。また、送り出した生徒も、大学側が求める学力が不足し、高校と大学の信頼関係が揺らいできている部分も若干あり、危惧しています。学校として大きな課題と捉えています。生徒たちにも話をしていますが、学校の在り方を見直さなくてはならないことを、保護者の方々にもご理解いただきたいです。

 

Q.今学校が目指していること、教育の新しい取り組みについて教えてください。

どうしたら子どもたちが成長できるのかを考えたときに、私の中のキーワードは「主体的」という言葉です。“Teach Less,Learn More.”を掲げ、一斉一律に教え込むことをできるだけ減らし、生徒一人ひとりの希望や学力に応じた学びに展開していこうと考えています。

世界は加速度的に変化しています。本校ではICTの活用が進み、県内でもトップランナーとなっているのですが、今、基礎的な知識は誰でも自分で学べる世の中になりました。

学校ではそれ以外の学びを提供できるように先生たちも研修を重ねています。今年から高校の朝課外も希望制にしています。希望に応じて様々な講座を選択してもらい、自らの学びを伸ばしてほしいです。また、中学三年の生徒も希望をすれば高校生と一緒に学べます。半年の学期ごとの選択制とし、生徒は自分に合ったものを選べますし、学校として今後も内容や指導者などを検討しながらさらに良いものを提供していきたいです。

Q.校長先生が生徒に対して願っていること、伝えたいことはどのようなことですか。

中高一貫コースと高校コースの生徒が高校2年からは一緒に学ぶようになりました。

学生時代は、新しい人とどう付き合っていくかを学べる良い機会です。また、現状が嫌だと思っているときには、新しい世界に出会うと、こんな世界があったんだと、プラスに感じるでしょう。新しい人に出会い、いろいろ悩み乗り越える経験は、チャンスをつかむための対応力や、時代に求められているコミュニケーション能力が身につく機会です。生徒たちには、お互いに切磋琢磨する集団であってほしい。新しい人との出会いやそれによって気づきを得て、人として心豊かに他者を受け入れられる人間力を身につけて、新たな出会いを通してチャンスを掴んでほしいですね。

そして、生徒には、たくましく主体的になってほしい。

例えば、大学受験でも強い想いがあったら、壁を乗り越える力が湧いてくると思いますが、大人が与えてくれるのをじっと待っていることに慣れ過ぎたら、責任感も養われないし、いざというときに頑張りきれません。

朝の講堂で何度も、「みんなには潜在能力があるから、失敗を恐れず進みなさい」と話をしています。自分でチャンスを掴みにいく、主体的に挑戦する強い気持ちでチャレンジしてほしいです。人生は一度きり、もっとやってみたらいい。筑女の生徒はもっと思い切って挑戦する人になれる、そういう力を持っている、と思います。

Q.校長先生から保護者に対して伝えたいことは何ですか。

私が校長に着任してから3年半の間に、学校保護者会活動も変えていかなければならないという動きがあって、児玉前会長から、今の小野会長に引き継がれています。

学校として至らなかった部分にはご指摘をいただき、その上で応援していこうという気持ちを前面に出していただきました。そして役員会の方々ができることを明確にしてくださって、お互いが信頼して言い合える関係ができています。本当にありがたいです。

学校としては、人生の土台となる部分の力をしっかりとつけてから社会に送り出すという責任があり、それを果たしていきたいです。保護者の皆様には学校の方針を理解していただき、協力をしていただけたらと思います。

取材を終えて

子どもが入学してからは校長先生のお話を直接聞く機会は少なく、このインタビューは貴重な機会となりました。初めはとても緊張しましたが、校長先生が子どものときにいろいろな習い事をなさっていたこと、草取りやデパ地下めぐりがお好きなことなど、気さくに話してくださり、とても温かい時間になりました。コロナ禍の中での学校生活は大変ですが、新しい学校の動きや校長先生の熱い想いをお聞きすることができました。保護者の皆さまに、少しでもお伝えできていれば幸いです。

校長先生、本当にお忙しい中、時間を作っていただきありがとうございました。

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